専務行きつけバーのバーテンダーから当社社員になる!
専務行きつけバーのバーテンダーから
当社社員になる!
専務
片尾君はもともと私の行きつけのバーでバーテンダーのアルバイトをしていたんだよね。
片尾
僕が18歳のときに、専務と初めてお会いしました。
専務
お酒の席だし、自分の仕事の話もほとんどしないお客さんとスタッフの関係。その後、僕が建築業界を勧めたわけでもないのに、片尾君が建築会社に入社することになって、「就職が決まって良かったね!」と喜んでいたら…。
片尾
悲劇が起きた。入社日まであと1週間という段階になって、会社経営が危うくなったので、内定取りやめに。バーのアルバイトを辞める準備を進めていて、もとには戻れないし。建築で頑張ろうと決意したうえでの転職でしたからショックでしたね。それでたまたま当日、飲みにこられていた専務に自分の悲劇を愚痴らせてもらいました。
専務
それで「働き口がなくなってしまうの?ならば、うちで働いてみればどうか」と誘ってみた。ただし、働いてもらう以上は知り合いだからといって甘やかしもしないし、仕事をしない人には辞めてもらう。甘い期待はしないでほしいと断言しました。その人の人生を受け入れるわけですから、誘った時点で、今までの仲良しの関係は断ち切る、と腹をくくりました。
片尾
入社後は関係性も上司と新入社員にガラリと変えて、僕自身も自分のなかで区切りをつけました。
厳しい現場担当に、“愛”を見て、乗り越えてきた
厳しい現場担当に、
“愛”を見て、乗り越えてきた
専務
入社後は工事部に所属が決定。部下の一人として、どんどん出世してほしいと期待したからこそ、一番しんどい仕事を担当してもらいました。
片尾
辛い現場でしたが、“愛”があってこそ、とわかっていましたから(笑)。専務は話す時はきつい言葉が多いので、知らない人が見れば、なんて厳しい上司なのだろうと勘違いされがちですが、実は相手のことを誰よりも考え、思いやってくださる。その人柄をよく知っていましたので、どんな現場でも躊躇なく「やらせてもらいます!」と即答しました。
専務
今だから言える、辛かった案件ってあるの?
片尾
山ほど、ありますよ(笑)。ズタボロでしたから。
専務
顔つきも、げっそりしていたものね。
片尾
見ていてくださっていたんですね!
専務
何かあれば、すぐ助けられるようにね。歯を食いしばって耐え忍び、頑張れる人間だと知っていたから、静かにしっかり見守っていました。
片尾
専務に誘われて入社したものの、頼ってないぞ、という意地がありました。自分自身が選んで入ってプロになる、ということを皆にわかってもらいたい。そこもモチベーションになっていましたね。
逆に僕はバーでの専務をずっと見てきたわけですが、仕事の場面で初めて見る姿に感動しました。それまでは飲んべえのイメージしかありませんでしたから(笑)。仕事とプライベートをきちんと分けて、耐震というすごい仕事をこなしてこられた人なんだと思いました。
専務
入社後、手を差し伸べることもできたけれど、贔屓していると思われるのが一番嫌だったから。片尾君にとっても損になるから遠ざけていた。他の子には手取り足取り教えていたけど、「片尾は、てめえで憶えろ」と(笑)。いやはや、よくここまで成長しました。手をかけずとも、期待通り、いや期待以上に成長してくれた。
片尾
富士テクノに入社できて本当に良かったです。何より言いたいことが言える環境であることが有難いです。特に僕は上の人達から煙たがられるほど、意見を言いまくっています。
専務
言ってくれる方がいい。いいものは取り入れるし、ダメなものはダメと判断できるからね。人に自分の意見を言えるということは、その人の言うこともきちんと聞いているということだから、片尾君は営業に必要な人間だと思う。“対、人”という部分に素晴らしい素質がある。お客様や職人さんに対する社交性が優れている。バーテンダーの時も、私が酔っ払って話すたわいもないことをきちんと聞いて、相手に合わせて話ができていたしね。
片尾
酔っ払いながらも、こっそり観察されていたんですね!
これからの富士テクノを支える人材に
専務
片尾君には会社の上の地位まであがってきてほしいと期待しています。もちろん、仕事ができるだけでは管理者にはなれないので、目の前の仕事以外の、会社全体の考え方も身に付けて、経営にも携わってもらいたいです。
片尾
自分に何を期待されているかをしっかりと考えて、やっていきたいと思います。自分の仕事、営業だけをやり切ればいいということではないことももちろん理解していますので、期待に応えられるよう頑張りたい。今は中間的な役職にありますので、専務の言葉を後輩たちに伝えるのも自分の役目。そのまま伝えるのではなく、それぞれがジブンゴトとして考えることができるよう、わかりやすく、導くことができるようにしたいですね。
専務
上と下をつなぐ、潤滑油的な役割だよね。富士テクノは、他社にできない技術をもっているだけではなく、周りへの気遣いも含めた仕事ができることが強み。そこを伝承していければ、事業内容が多少変わっても、乗り切って存続していけると思います。芯の部分を皆が受け継いでくれるよう、上のものが発する言葉を伝え、守っていってほしいですね。
あと一般的な会社ならば、株主が儲かるように、会社は利益を生み出し、確保しなければいけないという仕組みですが、そうではなく、皆のお財布を私が金庫番で預かっていますという考えがあります。特定の誰かが報酬を独り占めするのではなく、皆に還元する。余剰金を無駄遣いせずにしっかり貯めていたことで、コロナ禍でも皆に給料とボーナスを従来通り払うことができる体力があった。そこの考え方もあわせて継承できれば、富士テクノは永遠に、何が起きても大丈夫な会社だという自信があります。
片尾
自分たちで判断して、皆で一緒にいい方向に進んで絵いこうというスタンスが他の会社にない、富士テクノの魅力。残すものは残して、新しく取り入れるところは取り入れる、それを自分たちで社会の流れなども見ながら、判断してやっていく。あとはやっぱり人ですね。仕事は人とのつながりが大事なので、新しい人たちにも、人との関係性の築き方をしっかり伝えて、教えていきたいと思います。
専務
ぜひ、頑張ってほしいです。しかし対談するまで、あまり考えたことがなかったけれど、よく10年足らずで、建築のこと、富士テクノのことをここまで理解して、しっかりとこなせるようになったよね。ちょっと感動しました。たまたま巡りあった縁が、いい人材をもたらせてくれたことに感謝です。
片尾
やっぱり人とのつながり、が大事ってことですよ!